自施設の患者データを用いた臨床研究を行い、これまで不明であった抗PD-1抗体による下垂体irAEの臨床像について検討した。当院のニボルマブ使用症例の解析から、抗CTLA-4抗体による下垂体炎とは異なる特徴を有し、特殊な甲状腺機能異常を伴うことも見出した(Clin Endocrinol(Oxf). 2021)。 甲状腺irAEが予後因子であるという先行研究から「甲状腺と癌の共通抗原に対する自己抗体が産生される」という仮説を立て、新規の自己抗体の探索を行った。共免疫沈降のアッセイ系を構築し、甲状腺irAE発症例の血清に報告のない自己抗体が含まれることを報告した(bioRxiv. 2021)。
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