研究課題
研究活動スタート支援
炎症性物質であるLPSをヒト歯髄組織から採取した歯髄細胞に加えた際、発現が上昇するmicroRNAについて、miRNAアレイにて網羅的解析を行い、炎症性サイトカイン産生制御に関わるmiRNAをスクリーニングした結果、miR-146bが候補として浮上した。その後の研究によって、miR-146bは炎症性刺激によって発現が上昇し、ターゲット解析により炎症抑制に関わる可能性が高いことが示唆された。
歯髄生物学分野
本研究によって、歯髄炎におけるmiRNAの動態を包括的に解析し、miRNAの炎症および治癒・再生プロセスに対する調節機能の解明を進めることができた。生体内では複数のmiRNAがクラスターとして機能し、複雑な遺伝子発現を同時に制御し、生体ネットワーク全体の正常化に関与すると考えられるため、炎症で発現が促進されるmiRNAの動態や機能の解明を進めることで、炎症と組織再生のクロストークの仕組みの解明につながると期待できる。