本研究は、診療報酬明細書のビッグデータを用いて、医師・看護師・管理栄養士などを含めたチーム医療による生活指導効果に関するデータ解析を実施する後ろ向き研究として分析を開始した。内容としては、「糖尿病透析予防指導管理料」に基づいた医療チームによる生活指導を受けた糖尿病性腎症患者での腎代替療法の導入や心血管イベント発生に対する有効性を検証する方針としていた。 2019年度では、エビデンスの収集と研究計画書及び解析仕様書の作成を行った。2020年度では、前年度に作成した研究計画書及び解析仕様書を元に研究協力者と協議しながら、データクリーニングおよび解析計画について準備を行った。また石川県羽咋市で保有されている国民健康保険のレセプトデータベースも並行して解析を開始した。2021年度では、解析の状況及び新型コロナウイルス感染症の流行期により、羽咋市データベースを用いて腎機能と健康寿命の関連性についての解析を行う方針とした。腎機能別に5つの集団にわけ、各々の健康寿命短縮のリスクハザード比を評価した。2022年度には、研究結果について関連学会で発表を行った。また各対象群における年間にかかる医療費や介護費(社会保障費)の解析を新たに行った。2023年度には、追加解析として不健康な期間について追加解析を行った。これまでの研究成果について関連学会で発表を行った。論文作成を行い、査読付き専門誌に投稿し査読中である。
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