研究課題/領域番号 |
19K24210
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研究機関 | 杏林大学 |
研究代表者 |
岸 知輝 杏林大学, 保健学部, 助教 (80845123)
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研究期間 (年度) |
2019-08-30 – 2022-03-31
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キーワード | 特定健診 / レセプト / 睡眠 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,睡眠に焦点を当てて,特定健診検査項目を用いて労働者の探索的類型を行い,睡眠に関する保健指導への提言を行うことである。 難渋している点としては,類型に用いる変数の検討である。モデルの適合度だけではなく,どの変数を用いれば保健指導を行う現場の保健師が理解しやすいかを意識しながら,変数の検討を続けている。 今年度進められた点として,次の2点が挙げられる。一つは,男性労働者の類型である。類型に用いる変数として,睡眠で休養が十分にとれているか,飲酒習慣,飲酒量,BMI,行動変容ステージで分析を行ったところ,男性労働者は,5つのグループ(①休養未充足グループ,②肥満グループ,③改善無関心・標準体重グループ④毎日飲酒グループ,⑤休養充足感ありグループ)に類型できる可能性が示された。 二つ目は,女性労働者の類型である。男性の類型で用いた,睡眠で休養が十分にとれているか,飲酒習慣,BMI以外に,1年以内の3kg以上の体重の増減,就寝前の2時間以内に夕食をとることの有無等の変数を用いて分析を行った結果,女性労働者は,4つのグループ(①体重増減なしグループ,②飲酒グループ,③肥満傾向・体重増減ありグループ,④休養未充足グループ)に類型できる可能性が示された。これらの類型を基に,各グループに応じた個別化された保健指導の提言を目指していきたい。 研究結果が蓄積されてきたため,今後は学会発表や論文執筆等を進めていきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
職域従業員を類型するにあたって,どの項目(変数)を用いて類型化するのが最適かを明らかにすることに時間を要した。 モデルの適合度だけではなく,保健指導を実際に行う現場の保健師が理解しやすい項目は何か,検討を続けてきた。
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今後の研究の推進方策 |
この程,類型に用いる変数として,モデルの当てはまりが良く,現場の保健師も理解しやすい項目が定まってきており,分析結果も蓄積されてきたため,引き続き,学会発表・論文投稿の準備を進めていきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
労働者の類型に用いる変数の検討に時間を要してしまった。このほど,その変数が定まりつつあるため,今年度は,当初計画していた学会発表,論文投稿を進めていきたい。
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