睡眠はノンレム睡眠からレム睡眠に遷移する80~120分の睡眠周期が3~5回繰り返されて構築される。睡眠障害は、免疫力の低下、耐糖能低下や交感神経活動増加などを引き起こす。そのため睡眠を保つことは、疾患からの回復過程において、非常に重要な役割を果たしている。したがって患者の睡眠周期を維持し、睡眠の質を向上させ、自然治癒力が最大限となる最もよい状態に導くことが看護として重要である。 本研究ではICU入室患者におけるせん妄予防ケアについてメタアナリシスを行った。その結果、多くの文献でせん妄予防策として睡眠ケアが行われており、その有用性が示唆された。さらに睡眠の中断が脳波や睡眠の変化に与える影響について運動覚醒前後の脳波の比較検討を行った。その結果、各周波数帯域におけるパワースペクトルは運動覚醒前後の比較において有意な変化が認められた。本実験より運動覚醒が徐波睡眠の低下・浅睡眠の増加をもたらすことが示唆された。
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