本研究は凍死事例による死体現象の一つのWischnewski斑に対し、分子的メカニズムの仮説を立て、さらに実験的手法で仮説を証明した。本研究では、低体温状態でしか発現上昇しない遺伝子は、凍死診断に分子的レベル証拠をもたらすことを示した。国内では、Umehara 等の研究により、骨格筋内のある遺伝子群が極端体温環境で発現が上昇した報告もある(Umehara T. et al, 2020)。最後に、in vivo実験でWischnewski斑の再現は困難であり、近年の文献を検索したところまだ成功した報告はいない、in vivoで同じ現象を再現する課題が残されていた。
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