研究課題
研究活動スタート支援
2013年または2014年に福島県健康管理調査に参加した30~89歳の計41,432人を対象とした。避難の有無により層別し、ロジスティック回帰を用いて、生活習慣病の性年齢調整、多変量調整オッズ比を算出した。毎日笑う人は、笑わない人に比べ、男性では高血圧、糖尿病、心疾患、女性では高血圧、糖尿病、脂質異常の多変量オッズ比が有意に低く、男性では特に避難者においてその関連が顕著であった。毎日の笑いの頻度は、特に避難者の生活習慣病の有病率の低さと関連していた。
疫学・公衆衛生学
笑いが生活習慣病や循環器疾患等の発症に予防的な効果があることが報告されてきたが、今回、大規模災害後においても笑いの頻度が高い人においては生活習慣病の有病割合が低いことや、この関連が特に男性では避難者において顕著であることが明らかになり、その点に新規性があり、意義のある研究である。今後、大規模災害の発生時には健康管理に活用できる可能性がある。