研究実績の概要 |
専門看護師(以下CNS)は1996年からその制度が始まった。特定の領域において高度な実践力を有する看護師のことを指し、実践・調整・倫理調整・相談・教育・研究の6つの役割を柱に活動している。資格創設から既に20年以上が経過し、CNSに求められるニーズや高度実践の内容、アウトカムが蓄積されている。一方、看護師としてのキャリアの中で、20%は看護師長以上の職位をもってCNSの役割を果たしているが、CNSが看護管理者としての役割を持った時の臨床の質向上に関するアウトカムは示されていない。本研究では、集中治療専門医と看護師長役割を有する急性・重症患者看護専門看護師(以下、急性CNS)の共同によるICUにおける死亡率等の患者アウトカムを明らかにすることで、効果的なICU管理の在り方を検討することを目的としている。現在までに以下の調査と論文の作成を行った。 ①2016-2019のICU入室患者3,652名分のカルテ調査を行い、患者死亡率、人工呼吸器装着冠者数、ICU長期入室患者の変化及び推移の観察 ②急性CNSと集中治療医の共同に関するインタビュー調査を行い、low intensity ICUにおける急性CNSと集中治療専門医の共同の重要性が明らかになった。 上記①②について論文を作成し、国際誌に発表する機会を得た。データの項目が多岐に渡っているため、さらに多角的なデータの分析が可能か検討している段階である。
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