本研究の目的は、Lynx1が脳梗塞慢性期の運動機能回復に果たす役割を明らかにすることである。本年度において、まずPhotothrombosisによる脳梗塞モデルマウスを作製し、運動野を中心とした梗塞巣を確認した。また、in situ hybridization法により、Lynx1の運動野ニューロンでの発現を確認した。さらに、Real-time PCR法により、Lynx1は脳梗塞後、梗塞巣周囲において経時的に発現変動していることが明らかになった。これらの結果は、Lynx1が脳梗塞後に生じる神経細胞の代償的な構造変化に関与している可能性を示唆している。今後は、Lynx1の発現を抑制するとともに、二光子励起顕微鏡を用いた生体内の経時的観察や運動機能評価試験を行い、Lynx1による脳梗塞後の運動機能回復への寄与を明らかにする。
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