研究課題/領域番号 |
19KK0051
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
小川 佳万 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 教授 (90284223)
|
研究分担者 |
松本 麻人 名古屋大学, 教育発達科学研究科, 准教授 (10727168)
小野寺 香 奈良女子大学, アドミッションセンター, 准教授 (60708353)
|
研究期間 (年度) |
2019-10-07 – 2024-03-31
|
キーワード | 高大接続 / 文理融合型 / カリキュラム / 日韓共同 |
研究実績の概要 |
本研究は、日本と韓国の中等教育において生徒が統合的視座を獲得するための文理融合型カリキュラムとその評価指標を開発し、実践と改善を重ねることを通して、両国における高大接続をカリキュラム面から促すことを目的とする。従来、両国では高大接続に関してカリキュラム上の接続の重要性が指摘されながら、大学入学者選抜のみにその機能を担わせてきた。そのため、高等教育では今後予測される社会構造の大きな変化の中で、自然科学・人文社会科学の学際的研究やグローバル化への対応が強く求められている。ただし学際的な学部や大学院は近年徐々に開設されてきているものの、それに対応した中等教育におけるカリキュラム開発はほとんど進んでいない。そこで本研究は、日韓共同で東アジアにおける高大接続を促す系統的な文理融合型カリキュラムの開発を目指す。 2年目も昨年度末から続く新型コロナの影響を強く受けた。当初、3回ほど訪韓し、韓国の高校で「新しい学力観」に基づく授業実践や「創意的体験活動(日本の「総合的な探究の時間」に相当)」の実態、高校での大学入試対策に対する詳細な情報を取得する予定であった。これらが実現できなかったため、予定を大幅に変更し、現地調査なしで、すでに収集してあった資料や関連文献等から、韓国と日本の高大接続の現状と課題に関する研究を進めていくことにした。研究会では、各自の論文執筆の進捗状況を報告しあい、全員で情報共有を行った。その成果の一部は、秋に開催された中四国教育学会で報告するとともに、2年目の成果として中間報告書として刊行した。また、研究会では、来年度以降の授業実践の具体的なコンテンツ(内容)についても意見交換を行い、具体的な役割分担を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2年目は韓国での学校訪問調査を予定していたが、新型コロナの影響で現地調査が実現せず、学校レベルの最新情報を収集できなかったため。ただし、代わりにこれまでの収集資料をもとにした論文を各自執筆し中間報告書として刊行した。
|
今後の研究の推進方策 |
現時点で、いつ訪韓できるか不明であるが、可能な限り早い段階で韓国の高校を訪問し、高大接続プログラムや文理融合型カリキュラムに関する実態調査を実施したい。また、3年目は韓国の高校で授業実践を試みることを目指しているため、そのためのコンテンツづくりに集中していきたい。
|
次年度使用額が生じた理由 |
次年度に繰り越した交付金は、大半が複数回に及ぶ韓国での学校訪問調査に係る出張のためのものであるため、訪韓が可能になった時点での使用を考えている。3年目分は当初の計画通り、主に韓国での学校での授業実践に係る出張用に使用する予定である。
|