研究課題/領域番号 |
19KK0058
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
サルカルアラニ モハメドレザ 名古屋大学, アジア共創教育研究機構(教育), 教授 (30535696)
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研究分担者 |
坂本 將暢 名古屋大学, 教育発達科学研究科, 准教授 (20536487)
久野 弘幸 中京大学, 教養教育研究院, 教授 (30325302)
坂本 篤史 福島大学, 人間発達文化学類, 准教授 (30632137)
柴田 好章 名古屋大学, 教育発達科学研究科, 教授 (70293272)
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研究期間 (年度) |
2019-10-07 – 2025-03-31
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キーワード | レッスンスタディ / 教育実践学 / 東アジアと西アジア / 比較授業分析 / グローバルな知見の創出 / ローカルな知見の交流 / 日本型授業実践学 / Craft pedagogy |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、日本型授業研究を導入した東アジアと西アジアの対話を通して現代社会における授業実践の質向上の様相とその機能を解明し、国境を超えた「教育実践学」を構築することである。そのために、本研究の研究課題3「レッスン・スタディを通した授業実践の質向上の複合的構造」として、2021年度においては、日本と海外を対象にしたフィールドワーク・調査組織・プロジェクトチームを発足させ、学校現場の教員や研究協力者との対面(日本)やオンライン・リサーチ会議などを開催した。 特に、「テキスト」としての授業記録が海外の教師たちや教育学者に新たな気づきをもたらしたこと(解釈共同体の構成)を解明した。具体的には、日本の小学校の算数の授業記録を分析対象として、その記録が含み込む日本の社会的背景が埋め込まれている授業記録をテキスト解釈(教材・内容・評価・教師観など)によって検討すると海外からもたらされた授業記録へのコメントを結びつけ、異なる文化の「レンズ」から見ることを軸にした日本型授業実践学(例:Neriage as craft pedagogy)の学術的意義も明らかにした。 本研究の主題である「東アジアと西アジアの対話」という目的を達成するために、日本と海外との比較分析の結果と再確認した上で、日本の授業実践(pedagogy)の文化的なコード、すなわち日本における "craft pedagogy" としての"neriage"の文化的基底の特徴を再検討した。この一連の過程によって、授業実践学における「教える」と「学ぶ」の本質を歴史的・比較的に再評価することができた(1. Teacher is central; 2.teaching is central; 3. Learner is central; 4. Learning is central.)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス対策の影響により、予定していた海外(特に、中国・イランなど)のフィールドワーク・調査などや海外・国内研究打ち合わせ会、日本型授業研究過程の実施などが中止となった。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに東アジア地域と西アジア地域の両方において、すでに学校での授業実施の観察(オンラインで実施)ならびに記録と授業逐語記録の作成を実施した。今後は、授業記録(テキストとして)にもとづいて比較授業分析の共同研究会(解釈共同体として)、およびその成果を踏まえた比較分析セミナーなどを行う予定である。こうしたアジア地域のフィールド調査、検討・分析会の成果を基に、レッスン・スタディを通した授業実践の質向上の複合的構造や授業実践学の基礎理論・授業実践の文化的基底とその質向上の様相ならびにその機能を解明する。さらに、アジア地域以外の諸国との知見の交流により、新たな研究方法論(特に、国際比較授業分析)を応用しながら国境を超えた「教育実践学」やアクロス・カルチャーズ・レンズを通した「教える」と「学ぶ」という概念を構築する。
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次年度使用額が生じた理由 |
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