研究課題/領域番号 |
19KK0272
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
劉 庭秀 東北大学, 国際文化研究科, 教授 (70323087)
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研究分担者 |
戸敷 浩介 宮崎大学, 地域資源創成学部, 准教授 (00542424)
大窪 和明 東北大学, 国際文化研究科, 助教 (50546744)
佐藤 正弘 東北大学, 国際文化研究科, 准教授 (60622214)
眞子 岳 東洋大学, 国際共生社会研究センター, 客員研究員 (80633528)
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研究期間 (年度) |
2019-10-07 – 2023-03-31
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キーワード | 遊牧民 / ハイブリッドカー / エネルギー格差 / 国際資源循環 / 持続可能性 |
研究実績の概要 |
日本からモンゴル国への中古HEVの輸出量に関する予測をふまえた上で、適切な政策的取り組みがなされれば、日本からモンゴル国への中古HEVの輸出は遊牧民が抱えるエネルギー・環境問題の解決に大きく貢献し、持続可能な生活の再構築に貢献できるのではないかという仮説は、本研究の核心をなす問いの一つである。 初年度は国際共同研究の方向性を明確に見いだすために複数の共同研究者がモンゴル国に渡航し、全体の研究打ち合わせと基礎調査を実施する予定だったが、コロナウィルス事態が発生し、渡航を丹念せざるを得なかった。従ってモンゴル国の遊牧民における地域別、世帯構成別の中古HEVの保有・廃棄行動、エネルギー供給の現状や消費行動の基礎調査は実施できなかった。その代わりに、本年度は中古HEVの日本からモンゴル国への将来的な輸出量について見通しを得るため、中古車の国内発生と輸出台数、使用済み自動車の発生予測モデルを作ることに重みを置くことにした。本研究の目的の一つは、使用済みHEVから排出されたニッケル水素バッテリーについて、日本での再利用および再資源化の状況、発生予想・利用実態を明らかにすることであり、まず、この半年間は生存時間分析等の統計的手法を用いてモンゴル国における使用済みHEVの排出量予測モデルを作成し、モンゴル国における将来の排出量を推計した。また、この研究成果を国際学術誌(“Estimation of End-of-Life Hybrid Vehicle number in Japan considering secondhand vehicle exportation”,Waste Management,Vol.104,2020,pp.198-206)に掲載した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
採択直後(昨秋)から研究計画に沿って先方との調整を進めながら着実に現地調査の準備を進めていたが(3月渡航予定)、コロナウィルス事態の発生によってモンゴル国への入国ができなくなったため、現地調査を実施することができなかった。年内の渡航についても不透明な状況であるが、現時点では夏以降の渡航を目指して、日程や研究調査内容の調整を続けている。
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今後の研究の推進方策 |
2年目は、初年度の実施できなかった、遊牧民を対象とした調査を実施し、地域別、世帯構成別の中古HEVの保有・廃棄行動、エネルギー供給の現状や消費行動を明らかにする。調査内容は、世帯構成や所得などの世帯属性など上記の行動に影響を与えると思われる要因についても調査し、回帰分析などの統計学的な手法を用いて、世帯属性や地域性が中古HEVの保有・廃棄行動に影響を与える影響を定量的に分析する。これらの研究内容は、基本的に現地調査が重要であるが、仮に今の状況が改善できず、年内の渡航が難しくなった場合は、ビデオ会議で頻繁な意見交換を行いながら、モンゴル国立大学の研究者に現地調査を依頼し、必要データを収集した上、定量分析を進める予定です。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナウィルス事態の発生によってモンゴル国への入国ができなくなったため、現地調査を実施することができず、渡航予定者の旅費が残ってしまった。今年も年内渡航は不透明な状況であるが、夏以降の渡航を目指して、先方と日程と調査内容の調整し続けている。次年度使用額については、渡航回数や滞在期間を増やし、渡航費、滞在費、研究補助者謝金などを中心に執行する予定である。
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