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2020 年度 実施状況報告書

PEG修飾タンパクによるアナフィラキシー誘導機構の解明とその制御に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 19KK0279
研究機関徳島大学

研究代表者

石田 竜弘  徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(薬学域), 教授 (50325271)

研究分担者 安藤 英紀  徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(薬学域), 特任助教 (00735524)
岡田 直人  徳島大学, 病院, 薬剤師 (30623269)
清水 太郎  徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(薬学域), 特任助教 (30749388)
研究期間 (年度) 2019-10-07 – 2022-03-31
キーワードPEG修飾製剤 / 抗PEG抗体 / infusion reaction / CARPA
研究実績の概要

本国際共同研究の目的は、世界で唯一、ヒトの薬剤誘導性アナフィラキシー反応を再現できるブタCARPA (complement activation-related pseudoallergy)モデルを用い、海外共同研究者の協力の下、臨床で汎用されているPEG修飾タンパク製剤およびPEG修飾リポソームに対するアナフィラキシー反応誘導機構の解明を通じ、その回避策の構築を目指すことである。本年度は以下に示す成果を得た。
PEG修飾タンパク製剤(JIVI)の投与によって、ブタにおいてアナフィラキシー様反応が誘導されないことを確認した。一方で、人為的に抗PEG抗体を誘導したブタにPEG修飾タンパク製剤(JIVI)を投与したところ、顕著なアナフィラキシー様反応が誘導されることが確認された。このことから、抗PEG抗体をもつヒトにPEG修飾タンパク製剤を投与した場合、アナフィラキシー反応が誘導される可能性が強く示唆された。
また、抗がん剤含有PEG修飾リポソームを用い、CARPAモデルでのアナフィラキシー様反応誘導能について検討を行った。その結果、既に臨床応用されているドキソルビシン封入PEG修飾リポソームでは強いアナフィラキシー様反応が誘導されたのに対して、別の抗がん剤が封入されているPEG修飾リポソームではアナフィラキシー様反応が誘導されず、封入した抗がん剤によっても免疫反応の誘導が異なる可能性があることが示された。これらの反応性の違いは補体活性化の程度にも反映されており、興味深い知見と考えている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

現状、コロナ禍により、ハンガリーに渡航して実験を行う事は困難である。しかしながら、ハンガリーに評価対象のサンプルを送付し、実験を行ってもらう事で、当初計画通りに検討が進み、有用な結果が得られている。国内での検討も想定以上に進んでおり、おおむね順調に進展していると判断した。

今後の研究の推進方策

コロナウイルスの影響を注視しつつ、国内で行う研究はこれまで通り推進し、計画通りの成果が得られるよう努める。ハンガリーでの実験は、サンプルを送付するなどして、遅滞なく推進する。さらに、web会議などを通じて打ち合わせを密に行い、渡航が可能になり次第、本来の計画に基づいて現地での実験を速やかに開始する。

次年度使用額が生じた理由

コロナウイルス蔓延の影響で、当初計画していたハンガリーでの実験を中止せざるを得なかったため、次年度使用額が生じた。翌年度分として請求した研究費とあわせて、渡航が可能になり次第、旅費として使用する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2020 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件)

  • [国際共同研究] Zagazig University(エジプト)

    • 国名
      エジプト
    • 外国機関名
      Zagazig University
  • [雑誌論文] Pegfilgrastim (PEG-G-CSF) induces anti-PEG IgM in a dose dependent manner and causes the accelerated blood clearance (ABC) phenomenon upon repeated administration in mice2020

    • 著者名/発表者名
      Elsadek Nehal E.、Abu Lila Amr S.、Emam Sherif E.、Shimizu Taro、Takata Haruka、Ando Hidenori、Ishima Yu、Ishida Tatsuhiro
    • 雑誌名

      European Journal of Pharmaceutics and Biopharmaceutics

      巻: 152 ページ: 56~62

    • DOI

      10.1016/j.ejpb.2020.04.026

    • 査読あり / 国際共著

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公開日: 2021-12-27  

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