研究課題/領域番号 |
19KK0279
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
石田 竜弘 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(薬学域), 教授 (50325271)
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研究分担者 |
安藤 英紀 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(薬学域), 特任助教 (00735524)
岡田 直人 山口大学, 病院, 講師 (30623269)
清水 太郎 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(薬学域), 特任助教 (30749388)
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研究期間 (年度) |
2019-10-07 – 2024-03-31
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キーワード | PEG修飾製剤 / 抗PEG抗体 / infusion reaction / CARPA |
研究実績の概要 |
本国際共同研究の目的は、世界で唯一、ヒトの薬剤誘導性アナフィラキシー反応を再現できるブタCARPA (complement activation-related pseudoallergy)モデルを用い、海外共同研究者の協力の下、臨床で汎用されているPEG修飾タンパク製剤およびPEG修飾リポソームに対するアナフィラキシー反応誘導機構の解明を通じ、その回避策の構築を目指すことである。 これまでの検討で、PEG修飾タンパク製剤(JIVI)の投与によって、ブタにおいてアナフィラキシー様反応が誘導されないことが確認された。一方で、人為的に抗PEG抗体を誘導したブタにPEG修飾タンパク製剤(JIVI)を投与すると、顕著なアナフィラキシー様反応が誘導された。このことから、抗PEG抗体をもつヒトにPEG修飾タンパク製剤を投与した場合、アナフィラキシー反応が誘導される可能性が強いことを明らかにすることができた。 一方、抗がん剤含有PEG修飾リポソームを用い、CARPAモデルでのアナフィラキシー様反応誘導能について検討を行った。その結果、既に臨床応用されているドキソルビシン封入PEG修飾リポソーム(Doxil)では強いアナフィラキシー様反応が誘導された。これに対して、別の抗がん剤が封入されているPEG修飾リポソームではアナフィラキシー様反応が誘導されなかった。このことから、内封した抗がん剤によって免疫反応の誘導が異なることが示された。次いで、抗PEG抗体保有動物において、アナフィラキシー反応の誘導が見られるか検討した。COVID-19 mRNAワクチンによって誘導された抗PEG抗体とPEG修飾タンパクで誘導されたものでは誘導されるアナフィラキシーの程度が異なることが示された。現在、この違いの原因について精査しているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
現状、コロナ禍およびロシアのウクライナ侵攻などの混乱により、ハンガリーに渡航して実験を行う事は困難である。しかしながら、ハンガリーに評価対象のサンプルを送付し、実験を行ってもらう事で、当初計画から若干遅れているが有用な結果が得られている。国内での検討も進んでおり、更に1年間の延長が許可されたことで当初目的を達成できると判断している。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染症の影響を注視しつつ、国内で行う研究はこれまで通り推進し、計画通りの成果が得られるよう努める。ハンガリーでの実験については、同様に感染症およびウクライナ情勢を注視し、安全を十分に確保した上で現地で行う。渡航不可の場合には、サンプルを送付し、web会議などを通じて打ち合わせを密に行いつつ、研究を進展させる。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症およびロシアによるウクライナへの軍事侵攻のため、共同研究先に渡航しての実験および対面での討議が困難であったため、研究期間を更に1年間延長したことから、次年度使用額が生じた。共同研究先への渡航費、滞在費を旅費として、現地での実験を消耗品費として使用予定である。
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