前年度と同様,2021年度は8月からのアメリカ・ハワイ州への渡航および1年間の滞在に向けた準備を行った.感染症の状況等を考慮し,渡航を1年延期することになったが,基課題である若手研究(B)とそれを引き継ぐ基盤(C)のプロジェクトでハワイ語ラジオに関する相互行為研究を進めた.その成果の一部として論文集に分担執筆した拙稿が出版された.別の論文集の拙稿も最終校正を終えて印刷準備中であり,2022年度あるいは2023年度中に出版される.また,ラジオに加え,ハワイ語新聞を分析対象とする本研究の一環として,これまで国内で収集した資料に基づく新たな口頭発表の申し込みを行い,その後2022年6月の学会で発表が決定した.この口頭発表に基づく日本語と英語の論考を準備中である.さらに,ハワイ語文献を資料として用いた博士論文に関する読書会をWeb会議システムを利用して実施し,英語・クレオール・ポリネシア諸語を専門とする研究者たちと議論を行い,最新の研究状況について情報交換を行なった.以上のように,やむを得ない事情で渡航時期を変更せざるを得なかったが,2022年度8月の渡航に向け,新聞とラジオ番組に関する研究を発展的に展開していくことを目指して準備を継続した.
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