研究課題
1.ヒストンの大腸菌発現系を用いてH2A/H2BおよびH3/H4の各複合体とH2A/H2B/H3/H4の各2量体と146塩基対のDNAとの複合体のヌクレオソームについて、MSで試料調製法の最適化を行い、15N,13C,2Hでラベルしたヒストンを調製し溶液中のH2A/H2BのNMR測定を行った。H2A/H2Bは溶液中ではヒストンフォールドの構造はH2AとH2Bの各々で保存されていたが、ヌクレオソーム中と異なりH2AのN末のへリックスとC末のへリックスの構造は壊れていた。2.H2A/H2BとヒストンシャペロンNAP1との相互作用をNMRで解析した。NAP1のC末の酸性ドメイン単独でヒストンH2A/H2Bと相互作用した。酸性ドメインは天然変性状態のひも状で、アスパラギン酸に富む領域とプロチンとチロシンの領域が別々にヒストンH2A/H2Bの表面の2箇所で相互作用をしていた。アスパラギン酸に富む領域はH2AのN末領域に結合しヌクレオソーム中と同様にヘリックス形成を誘導した。またNAP2の酸性ドメインとH2A/H2Bとの相互作用もNMRで解析した。NAP1の酸性ドメインに比べて結合は弱く、その原因はNAP1で2箇所あった相互作用部位の内の1箇所だけで相互作用部したためである事が分かった。3.ラベルしたヒストンを用いてヌクレオソームコアの900MHz固体NMRの測定を行なうことができた。4.ヘテロクロマチン形成因子のChp1、Hp1α、Swi6のクロモドメインの溶液中の構造を解析した。Chp1のクロモドメインのN末にある天然変性領域はヒストンH3のN末のK9メチル化と複合体を形成し、ヘリックスが誘導され、その部位がセントロメアのncRNAと相互作用をすることを見出した。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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