研究課題
本共同研究の目的は、日本国憲法制定後60年を経て時代の転換点にある現在、日本国憲法が政治・社会・法の分野においてもつ、あるいはもつべき憲法の規範力について考察することにある。そこでは、憲法学の立場からのみ憲法の規範力について考えるのではなく、政治学・法社会学・法哲学のほか、民事法学、刑事法学、訴訟法学、国際法学などの他の法律・社会科学・法学の分野との関連でも憲法の規範性を問題とし、それらの他の学問分野との間での対話によって憲法の規範力を考察した。また、憲法の規範力について研究するためには、諸外国の憲法動態を比較研究することもまたきわめて有用である。日本国憲法は制定後60年を経過し、さらに21世紀の日本の政治と社会も発展しようとしている。このような日本の政治・社会の転換期において、日本国憲法は政治や社会の現実に対してどのような規範力をもっているか、あるいは、現実の政治や社会をどのように規律すべきかを多角的に考察することは、政治・社会の基礎法としての憲法の意義を再認識し再検討するうえできわめて重要である。本研究では、メディア部会、政治部会、規範力部会、行政部会、市民部会、刑事部会、裁判部会、国際部会、社会法部会、を組織し、それぞれのテーマにしたがって共同研究を行った。また、台湾、韓国、中国の研究者との研究交換を随時行った。さらに、ドイツ憲法判例研究に関する月例研究会を実施した。2011年度に実施した特別研究として、2012年3月の東アジア研究者との「憲法と私法」共同研究、同年3月のトーマス・ヴュルテンベルガー教授(フライブルグ大学)の招聘による共同研究がある。
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比較法学
巻: 45巻3号 ページ: 85-98
Ozan Ergul(ed), ANAYASA YAPIMI VE ANAYASAL DEGISIM
巻: 単行本 ページ: 211-239
法学思潮
巻: 1巻1号 ページ: 13-37