研究課題
本年度得られた結果を要約すると以下の通りとなる。(1)BiFeO系単結晶の相転移系列について、誘電測定、およびラマンスペクトル測定により検討した結果、従来の高温での相転移の報告が間違っていることを明らかにした。また、希土類置換による状態図が従来の報告と異なることを見い出した。(2)Ca置換BaTiO_3系の大きな分極状態に関するメカニズムについてオフセンターの立場から議論し、Aサイトに導入したオフセンターが化合物の対称性によっては極めて有効な強誘電性を高める手段となり得ることを明らかにした。(3)新たな強誘電体候補物質としてAgTaO_3を見い出した。本物質は(2)の結果に基づき、オフセンターイオンとしてLiを導入することにより、強誘電体化することを確認した。(4)前年度導入した薄膜形成装置を立ち上げ、展型的なペロブスカイト型酸化物の完全エピタキシャル薄膜作製条件を見い出し、次年度に向けた超薄膜超格子作製に関するロードマップを得た。(5)2年間の結果をまとめ、新物質合成戦略の見直しを行うとともに、ペロブスカイト型酸化物におけるA,Bサイトの果たす役割を明確化し、本研究のタイトルである化学結合がペロブスカイト型強誘電体で果たす役割について、第一原理計算の結果をもとに、明らかにした。これらの結果をもとに、新規非鉛強誘電体の設計が、化学結合を意識すれば十分可能なことが結論された。最後に、最終年度に向けて、戦略の修正と問題点の洗い出しを終了した。
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