研究課題/領域番号 |
20252005
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研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
六鹿 茂夫 静岡県立大学, 国際関係学研究科, 教授 (10248817)
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研究分担者 |
西山 克典 静岡県立大学, 国際関係学研究科, 教授 (00133687)
吉川 元 上智大学, 外国語学部, 教授 (50153143)
小久保 康之 静岡県立大学, 国際関係学部, 教授 (60221959)
梅本 哲也 静岡県立大学, 国際関係学研究科, 教授 (10193947)
佐藤 真千子 静岡県立大学, 国際関係学研究科, 助教 (40315859)
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キーワード | 黒海国際関係 / 黒海協力 / 広域ヨーロッパ / BSEC(黒海経済協力機構) / ロシア・グルジア紛争 / ナブッコ・パイプライン / 帝玉 / 国際労働力移動 |
研究概要 |
平成21年度は、黒海地域の諸アクターが黒海地域内で展開する諸活動の動態分析と、それらが地域に及ぼす影響、さらには広域ヨーロッパ全体との相互関係について、ロシア・グルジア紛争など事例研究をまじえて研究した。また、イスタンブールにて国際シンポジウムを行った。その結果、歴史的には、アルメニアなどの例に見られるように、19世紀末以降、大国間関係に大きな影響を及ぼす歴史的アクターとしての民族の重要性と帝国の重要性が改めて認識されるとともに、18世紀後半以降の帝国間秩序の変遷が現代黒海国際関係にまで影響を及ぼしている事実が明らかにされた。また、経済分野では、黒海地域諸国における労働力移動と労働者送金の動向を研究し、一見多様に見える当該諸国家が、国際労働力移動が生み出す共通の問題点を抱えていることが明らかされた。さらに、BSEC(黒海経済協力機構)については、国際的な戦略ゲームの場とは異なった、環境や外国人労働力といった分野での地道な協力こそ成果を生みうることが判明した。また、日本の戦後の経済政策のあり方が、当該地域の今後の経済戦略作成に参考になりうるとの観点から両者の比較が行われ、外国の黒海地域研究者の関心を引いた。他方、政治的には、ロシアによるサウス・ストリームパイプライン計画の進展とナブッコ・パイプライン計画への打撃、ウクライナ大統領選挙における親露派大統領の勝利やグルジア内政の混迷に見られるように、黒海地域をめぐる国際政治の振り子は逆戻りし、カラー革命の結果が塗り替わりつつあるとの分析結果を得た。さらに、より抽象的には、黒海地域の国際政治構造は、欧米とロシアの二極構造という広域ヨーロッパ国際政治構造に規定されて、国家間関係の次元のみならず、下位国家、国家、黒海地域、広域ヨーロッパを横断するトランスナショナルな次元においても、修正主義対現状維持の二極構造を基本的特徴とすることが理解できた。
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