研究課題/領域番号 |
20310042
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
高岡 昌輝 京都大学, 工学研究科, 准教授 (80252485)
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研究分担者 |
大下 和徹 京都大学, 工学研究科, 助教 (90346081)
朱 芬芬 京都大学, 工学研究科, GCOE研究員 (40534277)
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キーワード | ごみ焼却 / 焼却灰 / 飛灰 / 脱塩 / 水酸化ナトリウム / 省エネルギー / 焼成 / ダイオキシン類 |
研究概要 |
本研究は、廃棄物処理施設に要求される1)投入エネルギー・資源・コストの削減、2)有害物質の排出削減、3)最終残渣の有効利用を同時に満たす新たなごみ焼却の技術的システムを構築するものである。具体的にはセメント産業の焼却灰の受入れ容量及び将来的な受入れ基準に注目し、焼却灰を普通セメント原料化すること、及びダイオキシン類・重金属類等の有害物質が濃縮されている飛灰を中間的に焼却システム内で処理し、最終排出物としてはゼロとすることを目的としている。本年度は、飛灰洗浄後の灰に対する焼成実験および排ガス処理部におけるナトリウム系薬剤の適用時のダイオキシン類前駆物質の生成抑制に関する研究を実施した。飛灰洗浄後の灰の焼成においては、飛灰種の違いによる塩素減少の違いを主に確認した。1000℃、1時間の加熱により、酸性ガス除去のために消石灰噴霧をした飛灰の洗浄残渣からは52%しか塩素が除去されなかったが、重曹噴霧をした飛灰の洗浄残渣からは96%が除去された。このことから、飛灰洗浄だけでなく洗浄後の焼成においても重曹の適用が効果的であることがわかった。排ガス処理部におけるナトリウム系薬剤の適用時のダイオキシン類前駆物質の生成抑制については、水酸化カルシウム系化合物、水酸化ナトリウム、重曹を用いた場合の生成抑制機構について、様々な側面から検討を行った。これまで提唱されていたアルカリと有機塩素化合物の直接反応による脱塩素化や塩化水素などの塩素源の捕捉だけでなく、触媒として作用する銅に対して、不活性化するような効果があることがわかった。大型放射光施設におけるX線吸収微細構造分析においては、アルカリ添加時に酸化銅に変質することなどがわかり、その変化が飛灰種に対応した生成抑制効果を説明可能であった。また、トータルシステム評価のためのデータを収集した。
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