研究課題/領域番号 |
20330004
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研究機関 | 成城大学 |
研究代表者 |
指宿 信 成城大学, 法学部, 教授 (70211753)
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研究分担者 |
佐藤 達哉 立命館大学, 文学部, 教授 (90215806)
渕野 貴生 立命館大学, 法務研究科, 教授 (20271851)
堀田 秀吾 明治大学, 法学部, 准教授 (70330008)
藤田 政博 政策研究大学院大学, 政策研究科, 准教授 (60377140)
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キーワード | 裁判員 / 心理学 / 言語学 / 法学 / 報道 / 取調べ / 評議 / 法廷 |
研究概要 |
第一グループ(報道の影響)は、これまでの実験調査結果を踏まえて、証拠能力のない自白、前科情報の報道が、それぞれ裁判員に対して、どの程度強度の予断を生じさせ、有罪あるいは無罪の判断にどの程度影響するのかという点について分析した。また、被疑者・被告人側による対抗的情報がこれらの有罪方向への予断形成をどの程度遮断・中和しうるのかという点についても測定した。 第二グループ(言語的影響)は、模擬評議で用いられている言語データを大量に収集し、形態素解析ソフトと統計的手法を用いて評議参加者の種別ごとの特徴的使用語彙を抽出し、心理・人物・依拠する証拠などに関連する表現の分布を調べ、裁判員と裁判官の事件の判断における思考体系の差異を明らかにした。 第三グループ(法廷コミュニケーション)は、法廷弁論や聞き手に関する参与観察やアンケート調査の分析をとおして、これまでの裁判における法廷でのコミュニケーションが言語中心の形態から視覚などを含めたより伝達情報の多い、複雑な伝達経路と要素を含んでおり、法的判断に対する少なくない効果が現れていることを明らかにした。 第四グループ(映像インパクト)は、実験映像(刺激)を作成し撮影方法の差異が供述の任意性にどのような影響を与えるかを測定した。また、海外における取調べ録画録音に関する実態調査をおこない、カメラバイアスの影響可能性を提示することに成功した。 いずれも方法論や途中経過ならびに成果につき、各種学会でのワークショップや講演などを通して発表し、公表論文として刊行した。2009年日本心理学会、2009年法と心理学会その他(後掲参照)。
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