本研究では、文化的多様性が唯我独尊的に存在するのではなく、異文化の脈絡も自らに内包するがごとく多様性を統合していくかたちのダイバーシティ・マネジメントを、あえて「関係型ダイバーシティ・マネジメント」と呼び区別し、現在、経済的隆盛を誇る、西アジアと東アジアの経営基盤を分析する。さらにそれらをつないでいく中央アジア、東南アジアについても同様に調査・研究し、アナログ的な関係型ネットワークによって組織される、一大アジア商圏の全体像を提示する。本研究はこれまで宗教、哲学、思想の分野として扱われてきたイスラームや、儒教、仏教が、経営という社会科学的な領域に大きく作用している点を実証的に示し、存在から繰り出される経営に支えられたビジネスモデルとその社会的合理性を提示する。
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