研究課題
本研究の目的は、2000年以降に大阪市で生じた構造変容を「都心回帰」現象としてとらえ、戦後からの資料、統計データによりその原因を解明するとともに、国内外の大都市との比較を行いながら大阪の「都心回帰」現象の特質を明らかにすることである。初年度(平成20年度)は、(1)大阪および他の地方大都市における「都心回帰」現象をとらえるための統計データの収集およびそれらの分析、(2)社会学、地理学、経済学、都市政策学などの諸分野の文献・資料を解読し、21世紀初頭における都市社会の動態をとらえるための理論的枠組や具体的な都市地域に関する先行業績の検討を行った。また、(3)本研究の主要なフィールドである大阪市の現況を把握し、アンケート調査やフィールド・ワークを実施するための予備調査として、大阪梅田周辺、鶴橋・コリアンタウン、ベイエリアの大規模開発地域、天神橋筋商店街・空堀通商店街などの商業地域を踏査した。さらに(4)福岡市・仙台市などの地方大都市、シェフィールド・マンチェスター・リヴァプール・バーミンガムなどの英国の諸都市を訪問し、インタビューおよび資料の収集を行った。これらにより、大阪の「都心回帰」の特徴を析出するための基礎的な資料と分析視角を得ることができた。これらの研究成果や分析視角の共有をはかるために、分担者・研究協力者全員による研究会を5回、小研究会を4回開催した。
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評論・社会科学 第88号
ページ: 1-43
谷富夫編『新版 ライフヒストリーを学ぶ人のために』
ページ: 132-161