研究分担者 |
古川 彰 関西学院大学, 社会学部, 教授 (90199422)
渡邊 勉 関西学院大学, 社会学部, 教授 (30261564)
浜田 宏 東北大学, 文学研究科, 准教授 (40388723)
中野 康人 関西学院大学, 社会学部, 准教授 (50319927)
石田 淳 関西学院大学, 社会学部, 助教 (40411772)
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研究概要 |
本研究課題の目的は,富のグローバル・レベルでの再分配と人々の主観的幸福の変動との関連をモデル化して再分配の効果を分析することにある.本研究課題は,(1)国際比較調査の再分析・検討を担当する計量班,(2)幸福観の記述,不平等化装置の発見を担うフィールド調査班,(3)不平等生成・変動メカニズムのモデル化を担当する数理モデル班,(4)最終的なシミュレーション・モデルを構築・分析するシミュレーション班,以上4班の連携のもと遂行される. 今年度は,数理モデル・シミュレーション領域では,再分配による幸福感変動と密接に関連する相対的剥奪理論の再検討を中心に研究を行った.具体的には,相対的剥奪の概念を,Stoufferらの研究までさかのぼって綿密に検討を加えるとともに,Yitzhakiのアイデアを援用しつつ,集団における相対的剥奪率を予想する応用可能性の高いシンプルなモデルを構築した.同時に,不平等・階層に関する理論モデル(階層帰属意識モデル,教育達成モデル)の研究も引き続き実施した.また,富の仮想移転の効果についてのシミュレーションを,World Values Surveyのマクロデータを用いて行い,その成果を発表した. また,計量班では国際比較調査データの利用可能性,幸福感の構造分析を引き続き行った.また,フィールド班との合同で,ネパールにおける幸福観,不平等を生み出す社会的・文化的装置の調査を実施した. これらの研究の進捗を把握し,アイデアの共有を行うために,10月と翌年3月の2回全体研究会を実施した.
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