意義・重要性 日本はこれから世界に類を見ない高齢化社会を迎える。この高齢化社会を乗り切るのは容易ではない。なんらかのブレークスルーが必要である。インターネットを利用した医療システムを構築することにより、高齢者に対する医療の質を向上させるとともに、膨大な医療費の節減が可能である。高齢者介護の問題は、1.痴呆、2.褥瘡、3.排泄に集約される。研究者研究者は、これまで本研究の前段階として体動センサを完成させ、遠隔地での寝返りの精密な測定を可能とし、寝たきり老人の褥瘡予防の研究に取り組んできた。本研究ではRFIDを用い尿失禁のインターネットでの管理をターゲットとする。本研究により、自宅での寝たきり老人に対し必要な時に必要なだけの介護を提供することが可能になり、劇的な介護の質の改善が期待できる。 研究成果 これまでの研究により、内部にOPアンプおよびA/Dコンバータが組み込まれているRFID(Radio Frequency IDentification、ICタグ)を用い、入力端子にイオン化傾向の異なる二種類の金属を電極として接続し電解質を含む溶液に接すると起電力が生ずることを確認した。本年はさらに紙おむつ内にRFIDおよび二種金属を配置できるように、実装が可能なRFIDの実験用基盤を作成し、電極および外部アンテナを接続できるようにした。また、生じた起電力を経時的に計測し、データの収集ができるように、ソフトウェアの改良を行った。本年の改良により、アンテナからの動作範囲が飛躍的に延長され、より実用レベルに近づいた。
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