研究課題/領域番号 |
20390533
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
川口 陽子 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (20126220)
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研究分担者 |
成相 直 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 講師 (00228090)
品田 佳世子 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (60251542)
植野 正之 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (70401388)
遠藤 圭子 東京医科歯科大学, 歯学部・口腔保健学科, 准教授 (70270915)
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キーワード | 専門的口腔ケア / 脳神経外科入院患者 / 歯肉出血 / 口臭 / 歯科衛生士 |
研究概要 |
東京医科歯科大学医学部附属病院救急外来を受診後、脳神経外科病棟に転棟した入院患者19名を対象とした。患者または家族に本研究の内容と方法を説明し、初回時に口腔内診査を実施した。初回の口腔内診査後、対象者を歯科衛生士による週2回の専門的口腔ケアを行う介入群10名と、通常の看護師による口腔ケアを行う対照群9名の2群にランダムに分けた。歯科衛生士による専門的口腔ケアは、あらかじめ作成したマニュアルに従い、対象者1名に対して10〜20分かけて行った。初回の口腔内診査から4週間後あるいは退院前に同様な調査を行い、口腔保健状況の変化を比較した。 対象者の平均現在歯数、未処置歯数、処置歯数、初回時における歯周ポケット深さ、歯肉出血の割合(BOP)、口腔清掃状態、舌苔付着状況、VSC値、患者全身状態においても両群間に差は認められなかった。 初回時と2回目の診査時の口腔保健状況の変化を比較すると、歯周ポケットの深さは介入群では有意に低下したが、対照群では有意な変化はみられなかった。同様に、BOPに関しても介入群の方が有意に低下した。自然開口量も介入群が対照群より大きくなった。また、オーラルクロマ(アビメディカル社製)による口臭(VSC)値も、介入群では改善傾向がみられたが、対照群では悪化していた。 本研究の対象者は、全ての対象者に看護師による1日1回の口腔ケアが提供されていた。しかし、歯科衛生士による週2回の専門的口腔ケアの提供により、介入群では歯周ポケットの深さの改善、BOPの低下とVSC値の低下が認められたのに対し、対照群では改善がみられなかった。 急性期の脳神経外科患者に対し、歯科衛生士が専門的口腔ケアを行うことで、早期に口腔清掃状態および口臭が改善されるとともに、自然開口量の増大など口腔機能がより早く改善・回復する可能性が示唆された。
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