研究課題/領域番号 |
20390533
|
研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
川口 陽子 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (20126220)
|
研究分担者 |
成相 直 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 講師 (00228090)
品田 佳世子 東京医科歯科大学, 歯学部・口腔保健学科, 教授 (60251542)
植野 正之 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 准教授 (70401388)
遠藤 圭子 東京医科歯科大学, 歯学部, 准教授 (70270915)
|
キーワード | 専門的口腔ケア / 口腔管理システム / 入院患者 / 脳神経外科 / 歯科衛生士 / 看護師 |
研究概要 |
医学部附属病院脳神経外科の入院患者で、本研究への参加に同意が得られた64名を対象とした。そのうち、入院日数が100日以内で、脳出血、頭部外傷等を主病名とし、口腔内診査を2回とも受けた有歯顎者40名(男性26名、女性14名)を分析対象とした。歯科衛生士による週2回の専門的口腔ケアを受けた介入群(21名)と、通常の看護師による口腔ケアのみを受けた対照群(19名)の全身状態および口腔保健状況の変化を比較した。その結果、介入群では、歯周組織の状態、口腔清掃状態、自然開口量が有意に改善され、またMRSA検出率に有意な低下が認められた。対照群においても、歯周組織の改善や口腔清掃状態の改善が認められたが、介入群ほど顕著ではなかった。また、対照群では、自然開口量の有意な増加や、MRSA検出率の有意な低下は認められなかった。 また、病棟看護師と歯科衛生士を対象として入院患者の口腔ケアに関する知識や実践状況に関する質問票調査を行い、比較検討した。両者とも、口腔ケアが「誤嚥性肺炎の予防」、「歯周病の予防」に効果があることはほとんどの者が認識していた。しかし、口腔ケアに「スポンジブラシを使用する」と答えた看護師は184名(81.1%)、歯科衛生士は2名(7.7%)で、有意差が認められた。また、歯科衛生士は92.3%が歯間部清掃用具を使用していたが、看護師は全く使用していなかった。さらに、口腔ケア時の観察状況を比較すると、歯や歯肉の状態、プラーク付着状態、口腔粘膜の観察において、看護師と歯科衛生士には有意な差が認められた。
|