研究課題/領域番号 |
20402059
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
嶺井 明子 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 准教授 (80209840)
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研究分担者 |
関 啓子 一橋大学, 大学院・社会学研究科, 教授 (20107155)
岩崎 正吾 首都大学東京, 大学院・人文科学研究科(研究院), 教授 (30203368)
遠藤 忠 宇都宮大学, 教育学部, 教授 (10104118)
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キーワード | 中央アジア / 教育 / ポストソ連 / ウズベキスタン / キルギス / カザフスタン / タジキスタン / 比較教育 |
研究概要 |
本研究は、旧ソ運圏のうち中央アジア諸国に焦点をあて、新国家樹立以降の各国の教育戦略を総合的に解明し、比較研究しようとするものである。教育の理念や制度,内容などの各側面から社会主義時代との連続面、非連続面を明らかにし、その変容に影響を与えた要因を国外要因と国内要因の双方から分析・整理することにより、各国の教育戦略を比較する。2年次にあたる本年度は、1年次で残された課題(『平成20年度中間報告書』(平成20年3月)参照)の調査と共に、各国の教育に対する国外要因、国際機関の影響に焦点をあてて4カ国の現地調査を行った。その結果、以下の点が明らかになった。 1990年代は独立国家樹立後、国連、ユネスコ等への加盟を果たし、脱社会主義を基調とした教育政策を推進した。イスラム的価値の尊重・導入、親米路線などロシアとも距離をおいた。が、2000年代にはいり「強いロシア」の復活とともに、ロシアとの教育協力を強める傾回がみられる。象徴的なのは、学校教育におけるロシア語の位置づけの変化であり、ウズベキスタンでは、外国語のひとつとしての位置づけに変更が加えられた。高等教育段階の制度改革では、ボローニャ・プロセスの影響が認められる。ただし、国家として参加しているわけではない。ロシアがボローニャ・プロセス対応の高等教育改革を実施していることの影響とみるほうが妥当かもしれたい。現在、ソ連時代からの5年制の専門家養成制度、4年(バカラブル課程)+2年(マギストル課程)、が並立している段階である。これまでの調査から初等中等教育段階、高等教育段階のいずれにしても、都市部と地方との格差がかなり大きいことが懸念される。なお、『平成21年度調査報告書』(平成22年3月、319頁)を作成した。
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