研究課題
基盤研究(B)
ストライガは主要な作物を宿主とする根寄生雑草であり、アフリカでの農業生産を阻害する深刻な生物的要因となっている。本研究はストライガが宿主植物ソルガムから養水分を収奪する機構を解明することを主な目的とした。ストライガの上位展開葉の光合成速度に対する呼吸速度の割合はソルガムに比べて非常に高く、呼吸速度は土壌乾燥による低下がほとんどなかったため、土壌が乾燥するほどストライガはソルガムの同化産物への依存を高めると考えられた。また、ソルガムに比べ、ストライガの蒸散速度、気孔抵抗および気孔開度に土壌乾燥の影響が小さいことを見出した。さらに、ストライガはソルガムよりも効率的な光化学系を有しているにもかかわらずソルガムに比べ光合成速度が顕著に低かったことから、ストライガの光合成速度は炭酸同化系が律速になっていることを明らかにした。これらの事実は、土壌乾燥条件下でもソルガムからストライガへの同化産物の転流が高く維持されることを示唆しており、ストライガによる被害が乾燥した地域でより深刻であることを合理的に説明できる。
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