研究課題/領域番号 |
20405045
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
松本 哲男 名古屋大学, 農学国際教育協力研究センター, 特任教授 (30313977)
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研究分担者 |
前多 敬一郎 名古屋大学, 農学国際教育協力研究センター, 教授 (30181580)
山内 章 名古屋大学, 大学院・生命農学研究科, 教授 (30230303)
西川 芳昭 名古屋大学, 大学院・国際開発研究科, 教授 (80290641)
伊藤 香純 名古屋大学, 農学国際教育協力研究センター, 准教授 (10467334)
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キーワード | 国際協力 / 農産物加工 / 農村開発 / 一村一品 / カンボジア |
研究概要 |
カンボジアは、長い内戦の後ようやく自給を達成し、肉・野菜の需要増加による農業の多様化が始まる段階に達しつつある。しかし加工品の殆どが隣国からの輸入であり、今後市場指向型の農産物や加工品の生産に力を注ぐ必要がある。農産物加工が農家の収入向上に貢献することは昨年度までの研究結果により明らかになった。市場ニーズにあった農産物加工産業振興モデル構築のために現地の大学、王立農業大学(RUA)と連携し以下の成果を得た。 1. 平成21年度に酒造農家グループが製造した試販売品を改良し、カンボジア政府に商品登録し、商品化した。この商品の宣伝・販売活動を行い、首都プノンペンにて12カ所、観光都市シェムリアップにおいて8カ所での販売を実現した。その結果、生産者の生計向上が実現され、酒造農家の経営状況が改善された。 2. 商品化した米蒸留酒の再加工品としてタマリンドを用いた果実酒を開発した。また、一州一品展示会にて実施したタマリンド酒の試飲会の結果に基づき今後の商品化に取り組んだ。 3. RUAの教員・学生に対する実践研究・教育に継続的に取り組み、本研究に参加した学生を交えて実施したワークショップにて現場での実践に基づいた教育に対するニーズを示すことで、自国の農業問題に取り組む研究・教育を実施することの重要性・必然性を示した。RUAと名古屋大学との合同農村実習、米蒸留酒の商品化・販売活動、タマリンド酒の開発及び商品化、試飲会におけるアンケート調査などの実施を通じて、RUAにおける"農業の現場における実践を通じた研究・教育の体制"を試行し、学内の制度化に向けた協議を実施した。 4. さらに、この取り組みをモデルとして近隣諸国に情報発信し、特にラオス国立大学農学部との共同による加工品の調査を開始した。2010年12月にラオス国立大学農学部と合同で、大学周辺8カ村の農村調査の予備調査を実施し、ラオスにおいてカンボジアモデルの普及を開始した。
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