媒介変数をともなうグレブナー基底計算の高速化及び効率化のために、上り問題を簡単にした一般のグレブナー基底計算に対する、これまでと異なるアプーチの研究を中心に行った。 ここでは主に、上のレイヤーとなるブッフバーガーアルゴリズムを、線形代数のReduced Row Echelon Formの形で表現する方法について研究した。これまでの類似の方法と異なり、アルゴリズムの停止条件までもが線形代数の中で完結するため、該当筒所の計質算は軽くなる。一方で、この手法では重複した計算が発生するが、この問題は計算のキャッシング手法にて解決を試みている。そのために64bit CPUを前提としたGMP(the GNU Multiple Precision Arithmetic Library)のラッパーを作成し、計算実験を行なった。国内学会及び国際会議にて研究発表を行った。 また、この手法を包括ブールグレブナー基底に適用し、実装及び計算実験を行なった。この場合には多倍長整数を扱う必要がない一方で、多数の変数を扱う必要がをる。これを素朴に扱うと、線形空間の次は計算機で扱える量を容易に越えてしまうという困難があるが、これは多項式の間に同値類を定義し、その類の間の演算として表現するととで解決した。 モバイルデバイスへの実装に関しては、グラフ表示アプリケーションの更なる実用化を通じて媒介変数を含む多項式系の視覚化へ前進しているととろである。
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