研究概要 |
本研究の目的は、2008年に出された中央教育審議会の答申及び同年に出された小学校・中学校学習指導要領とあわせて求められている、「図形についての豊かな感覚・美しさを感得するための指導」とはどのようなものであるかを研究することである。 具体的には次の3段階を踏んでの研究を目指している: (1) 図形についての豊かな感覚・美しさとは何かを具体的に明らかにすること。 (2) (1)を基に、児童・生徒に図形についての豊かな感覚・美しさを感得させるにはどうしたらよいのかを考えること。 (3) 実際の授業にのせることによって、児童・生徒が図形についての豊かな感覚・美しさを感得したかどうかを実証すること。 3ヵ年計画の初年度である本年度は,まず(1),(2)を明らかにするべく研究を遂行してきた。小学校から高等学校までの協力教員など18名と大学教員4名の計22名により研究を進め、これらを基に計4回の全体研究会合を持った。 まず、「図形の美しさとは何か」を把握するために、現在までの授業等を通して「生徒達が図形の美しさについて触れたと思われる具体例」をあげ、「どのような点で生徒達が美しいと感じたのか」について議論した。4回の会合で多くの具体的な授業例などが提示され、「図形の美しさとは何か」ということについての認識がかなり固まってきたと考えている。更に、これらを踏まえて研究授業なども何回か実施され、実りある成果が得られた。 「図形についての美しさとは何か」を把握することを目的とした研究は少ない。初年度ということもあり、時間的制約等から、研究成果を論文という形で発表することはあまりできなかった。しかしながら、具体的な事例は沢山得るることができたので、これをもとに次年度は目標(2),(3)に向けた研究を続けていくつもりであう。尚、ここで得られた事例等は出来るだけ早く論文等の形で紹介したいと考えている。
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