研究概要 |
本研究は、1983-84年に実施した中学生の「論理的思考力」「科学の方法」および「理科的活動」などに関する調査研究に変化を明らかにするとともに、小、中学校の理科授業における学習指導のあり方を検討することを目標としている。生徒の論理的思考および科学の方法に関する調査から次のことが指摘できた。1980年代に実施した論理的思考力テスト(GALT)および科学の方法調査(TIPSII)の結果と比較して、(1)「変数制御」「仮説の設定」などについては同等かやや改善が見られた。(2)「保存」「確率」「場合の数」について低下傾向が見られた。(3)中学生の理科的活動、授業における科学の方法や理科授業態度などの調査においては、多くの項目で低下傾向が見られ理科離れが進行してきていることが判明した。自然に対する感情については著しい低下傾向があり、中学生が持つ自然観なども大幅に後退していることが指摘できる。また、理科授業における児童生徒の科学的思考を促進する学習指導の研究として、小学校高学年理科授業20時間(物理分野6,化学分野7,生物分野4,地学分野3)を分析した。
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