本研究は、日本の近代化の過程において、東北地方がどのように西洋文化と向き合ったのかという問題を、宣教師の活動を中心に考察していこうとするものである。本年度の研究活動においても、前回の科学研究費補助金によって入手した宣教師文書などの資料解読、およびその考察を継続した。 また本年度は、アメリカ、インディアナ州グリーンキャッスルのデポー大学のRoy.O.West Library 2FのArchives & Special Collectionにおいて、同大学卒業生で、明治初期の津軽地方で教育および宣教活動を行ったプロテスタントメソジスト派宣教師ジョン・イング、および彼の教え子で同大学に明治期留学していた学生たちについての資料調査を行い、調査対象人物たちが所属していたLiterary SocietyであるPlatonian Societyおよび、Philological Societyの活動記録のうち、1860年代から1880年代にかけての資料部分を精査した。また、ジョン・イングと留学生珍田捨己、那須泉が所属していたFraternityである、Delta Kappa Epsilon Psi Phi Chapterの資料調査も行い、直筆の一時資料を多数見いだすことができた。 さらに、ジョン・イングが晩年を過ごしたイリノイ州ベントンでも調査を行い、1918年の地図からイングが最晩年を過ごした農場の場所も見いだして、現地調査および撮影を行った。
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