研究概要 |
平成20年度は関連する理論・実証研究のサーベイを行うと同時に,アジア諸国の部品貿易についてのデータの整理を1980年から2006年まで行った。また,適当な価格指数を用いて分析に供することのできるデータを作成した。 平成21年度には現地でのフィールドサーベイを行い,企業インタビュー,現地研究者へのインタビューを行うと同時に数量分析を開始した。分析手法はBaier and Bergstrand(2007)やBadinger(forthcoming)等を参考に,貿易政策の内生性,同時性バイアス,計測誤差バイアスをそれぞれ考慮した分析手法を採用する。産業の特性をコントロールするために,産業ごと,クロスセクション,パネルデータ,時系列等でデータを分析・吟味した。 また,国際学会に参加してアジア諸国の関連するデータの入手を模索し,同時に各国研究者との議論を続け,最新の学術的情報と知見を獲得した。 平成22年度はアジア地域の部品貿易の増大の要因を特定した結果を英文でまとめ,アメリカのWestern Economic Association InternationalとEast Asian Economic Associationの学会やPittsburg大学等で報告した。分析結果は明らかに日本企業が海外に進出するに従い,日本からアジアへの部品貿易が因果関係を考慮しても増加することを示している。現在,得られた多くのコメントをもとにモデルや推計結果の改良を行っている。(625字)
|