本研究は、海外のビジネススクールでMBAを取得した日本人ビジネスマンを対象に、彼らの帰国後のキャリアパスを追跡調査しながら、日本企業にとってのMBA教育の意義について検討するものである。今年度は、おもに資料収集とインタビュー調査を行った。また、これらの資料と過去のインタビューデータを活用しながら、米国のボストン周辺のビジネススクールに留学中の現役ビジネスマンの意識調査を論文にまとめた。論文は『京都マネジメントレビュー』に投稿した。このジャーナルは、平成21年3月末日までに発刊予定であったが、刊行がすこし遅れ、4月には発刊される予定である。論文の中では、おもにハーバード大学およびMITのビジネススクールに留学するビジネスパーソン、また、米国人MBAホルダー等、計約20名(含、女性3名)に対しておこなったインタビュー内容を紹介し、かれらの就業意識を分析した。さらに、数年前のワールドコムやエンロンなどの企業不祥事や一昨年来のリーマンショックを受けて、米国内で高まりつつあるビジネススクール批判にかんする論文や報道記事の資料を収集した。これらの資料の収集は現在も継続中であるが、すでにその一部は論文で活用した。次年度は、引き続き資料収集と並行して、米国など海外でMBAを取得して帰国した日本人ビジネスマンに加えて、日本国内のビジネススクールでMBAを取得した人や、ビジネススクールの教員を対象にインタビューを行う。また、可能であれば、米国を含む海外のビジネススクールの教員を対象にインタビューを行う。
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