| 研究概要 |
これまでの研究成果を英文論文にまとめた。論文の要旨は、米国流のビジネス教育は本来の日本的経営とそぐわない点があること、また、米国でMBAを取得した日本人ビジネスパーソンは日本企業においてBAの知識や経験を生かしきれずにキャリアに不安を抱いていることを明らかにした。さらに、日本企業がここ2,3年の間に経営のグローバル化を進める戦略に転換し、グローバル人材を切実に求めていることから、日本的経営を理解しつつも、米国流のビジネス知識や経験を修得した日本人のグローバル人材の育成が早急に求められていることを指摘した。論文は2つの国際学会(Academy of International BusinessおよびThe Association of Japanese Business Studies)で報告した。これまでこれらの国際学会では、日本人研究者が、日本企業におけるMBA資格やビジネススクール教育の意義について研究報告した例は殆ど無かったため、にいずれの報告においても、海外の研究者から多くの質問が出され、貴重なコメントや情報が寄せられた。これらの情報を研究に反映させるべく、論文の手直しを行った。この英文論文は現在、査読付きの海外のジャーナルに投稿する予定で、データを付加し、内容の修正を行ない、草稿はすでにディスカッションペーパーにしている。さらに、英文論文の執筆と並行して、国内におけるMBAホルダーや日本人ビジネスマン、企業経営者へのインタビュー調査も続行した。また、日本語の論文の執筆にも取り掛かっており、こちらは学会誌などの国内の査読付きジャーナルに投稿する予定である。例えば、国際ビジネス研究学会や組織学会の学会誌を検討している。
|
