研究課題/領域番号 |
20530462
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
レヴィアルヴァレス C 広島大学, 大学院・総合科学研究科, 教授 (80284123)
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研究分担者 |
町田 宗鳳 広島大学, 大学院・総合科学研究科, 教授 (10334450)
材木 和雄 広島大学, 大学院・総合科学研究科, 准教授 (70215929)
中坂 恵美子 広島大学, 社会科学研究科, 准教授 (20284127)
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キーワード | ヨーロッパ / 移民・難民 / 統合 / 共生 / 差別 / 国際研究者交流 / 民族間対立 / 日本 |
研究概要 |
本年度前半は研究会を重ね、各人の研究について議論を重ねるとともに講演会とシンポジウムの準備を行った。12月4日にはフランスから人口学研究者を招いての公開講演と研究会を開催した。 2010年2月13日に広島国際会議場において「差別・統合・共生-ヨーロッパの経験から日本を考える」と題する公開国際シンポジウムを午前10時から午後6時まで開催し、6つの研究発表とパネル・ディスカッションを行った。100人以上の市民や研究者が来場し、講演会に参加した。フランス、オーストリアとオランダからも海外研究者を招聘し彼らの講演は同時通訳によって参加者たちに伝えられた。報告者およびパネリストは、Jean-Luc Richard(レーヌ大学)、Claude Levi Alvares(広島大学)、Wolfgang Benedek(グラーツ大学)、材木和雄(広島大学)、Han Entzinger(ロッテルダム・エラスムス大学)、宮島喬(法政大学)、西村雄郎(広島大学)、西本雅実(中国新聞社)であった。 本シンポジウムはヨーロッパに定住しようとする移民・難民が直面する諸問題やその複雑さへのより深い理解を促すことができた。とりわけ、ヨーロッパ諸国の様々な経験は、新来者の調和のとれた統合が積極的な政治的なコミットメントを必要としていることを明確に示している。即ち、それは住居、就労そして教育などの分野において特に不可欠であることが理解できる。以上のような積極的な政策が欠如していることは関連する移民・難民集団に悪影響を及ぶだけでなく、受け入れ国にも望ましくない結果をもたらすことが注目される。 日本人の発表者は広島の長期にわたる移民在住の現状を想い起こさせ、日本が展開してきた移民政策の「盲点と課題」、その例として移民の子弟が直面する教育問題をフランスと比較しながら指摘するものであった。一方、地域レベルに置けるマイノリティ集団の定着を事例とした研究発表もあった。聴衆は自分の感想や質問を事前に配布された質問表に記入し、発表後に設けられた質問時間に討論された。なお、二つの新聞記事(中国新聞)によって本シンポジウムは紹介され、またその内容を多くの読者に伝えることができた。
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