失感情傾向とは自分の感情を言葉でうまく表現できない傾向であり、欧米の研究では慢性疼痛患者によくみられる心理的傾向だとされる。また、痛みに対する認知や対処も慢性疼痛症状と相関しているとされる。本研究では、失感情傾向や痛みへの認知や対処が慢性疼痛症状とどのように関連しているかについて、わが国の慢性疼痛患者を対象に質問紙調査を行った。主な知見は(1)失感情傾向は痛みの感覚要素および感情要素や痛みによる生活障害、抑うつと相関する、(2)失感情傾向は、痛みへの対処の影響を統計学的に除外しても、抑うつや生活障害と相関するなどであった。
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