研究概要 |
本課題は,地域の美術・博物館の収蔵資料を生かした鑑賞学習モデルを開発し,実践化の視点から検証し体系化することを目的とする。第2年次は,従来鑑賞対象として手掛けにくかった分野について,美術・博物館の資料を基に教員と学芸員が共同で以下のような鑑賞モデルを開発し,実践試行を重ねた。さらに外部識者との意見交換も経て,事例の蓄積と子どもと鑑賞活動についての理念形成を進めた。 1. 美術・博物館の収蔵資料に基づく小・中学生の鑑賞学習モデルの開拓と実践試行 (1) 京都地区WG-1「ウィリアム・ケントリッジ-歩きながら歴史を考える-」:動くドローイングと体験的鑑賞(京都国立近代美術館・ノートルダム学院小学校,協力者/山野英嗣,豊田直香,田中聖子) (2) 京都地区WG-2「何を写したの?」:写真と視点,撮影体験(京都国立近代美術館・京都教育大学附属京都小学校,協力者/山野英嗣,豊田直香,竹内晋平) (3) 京都地区WG-3「書の鑑賞(藤原伊行「国宝葦手絵和漢朗詠抄」):自分なりの制作を通した書跡の鑑賞(京都国立博物館・京都市立安祥寺中学校,協力者/羽田聡,松村一樹,西村大輔) (4) 金沢地区WG-4「ワークショップPIKA PIKA Project」:ワークショップの映像記録と作家を交えた制作活動(金沢21世紀美術館・金沢大学附属中学校,協力者/不動美里,黒澤浩美,平林恵,木村健,西澤明) 2. 美術鑑賞に関わる公開討論会における意見交換 シンポジウム「ミュージアム・エデュケーション21」(2010年1月16-17日,主催:金沢21世紀美術館,出席:A.S・ノーリング(ストックホルム近代美術館)ほか)に参加し,当課題に関して鑑賞教育の問題提起と意見交換。 *次年度の課題:映像や光の軌跡によるドローイングなどの鑑賞と身体,「書」の鑑賞にかかわる問題
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