ポアソン幾何学の主要な道具であるスカウテン括弧積を、他の概念で理解する試みがなされてきた。一般化された複素構造論(generalized complex structure theory)の観点からクリフォード代数の枠組みの中で、スカウテン括弧積が捉えられることを示した。なお、これまでポアソン幾何学の標準的な教科書であるLectures of on the geometry of Poisson manifolds (I.Vaisman)にあるスカウテン括弧積の定義が三上等が採用するスカウテン括弧積と異なる理由を明確にした。一方、シンプレクティック2次元平面の形式的ハミルトンベクトル場のなすリー環の同変ゲルファント・カリーニン・フックスコホモロジー群に関し、D.Kotschick and S.Morita "The Gel'fand-Kalinin-Fuks class and characteristic classes of transversely symplectic foliations"の計算結果を確認すると共にウエイト18まで完全に決定した。その際、数式処理ソフトMaple用のプログラムを開発し数台のコンピュータを並列的に稼動し実効性を高めた。
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