研究概要 |
研究実施計画の役割分担に従って,下記の研究成果を得た. 1. コンパクトLie群の既約分解に関するものとして,Serreのp正則性に関する結果とその一般化であるKumpelの定理,さらにMimura-Nishida-Todaによる準p正則性に関する結果とその一般化であるHemmiの定理が知られている.我々はこれらの結果をさらに拡張し,mod pコホモロジー環が外積代数であるホップ空間がそのコホモロジーの生成元の次元の最大と最小の差が8(p-1)未満である場合についての同様な既約分解を決定した.結果は未公表であるが,更なる拡張を目指して研究中である. 2. 階数が小さいアトミック空間は「何らかの形でα元と関連した形でコントロールされる」という予想に関して階数が5の場合の興味深い例を発見した.この例はLie群の分解には表れないタイプのものである.結果は未公表であるが,更なる拡張を目指して研究中である. 上記の研究成果以外にも次の成果が得られている. 1. mod 3レンズ空間L^n(3)上の任意のベクトル束やそのテンソルベキに対し,それらが任意のm(>n)に対して高い次元のレンズ空間L^m(3)上に安定拡張可能となるための条件を決定した.これらの結果は,既に得られている射影空間上のベクトル束に冠するものの拡張である.さらに,レンズ空間上のベクトル束の安定分解問題に対して完全な解を与えた.結果はTopology Appl.誌に公表した.
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