研究概要 |
半分線形方程式とは,解の定数倍も解になっている方程式のことであるが,その楕円型の場合についてPirone等式を作り,それを用いてSturm型比較定理及び振動定理を確立した.特に今まで得られた結果を全て含むような最も一般化された半分線形楕円型方程式について,Picone等式を確立し、それを基にSturm塑比較定理,振動理論,Wirtinger不等式,Riccati不等式を得ることが出来た.特別な場合として線形楕円型方程式が得られるが,Riccati不等式から振動理論を得たのは,新しい研究と思われる.また,今まで研究されてきた平分線形楕円型方程式以外の新しい型の方程式も創ることができたのは,画期的と思われる.しかも,その上うな新型の半公線形楕円型方程式は創るうと思えば,いくらでも創ることが出来るという事実が示せたのは,大変重要で意義深いことであると確信している. 上記の研究を数学雑誌「Nonlinear Analysis」に掲載出来たことは,世界に対してこの研究を発信出来た思われる.上記雑誌はImpact Factorの高い雑誌であり,この研究が評価された証と思われる.二つの内の一は,2008年にアメリカで開催された国際研究集会「Fifth World Conerress of Nonlinear Analysts 2008」で講演した研究の論文であり,もう一つの論文は更に高度を内容を含む論文である. 研究内容は更に,国内の研究集会でも発表した.研究集会「広島大学における微分方程式セミナー」では半分線形楕円型方程式に対するPicone等式とSturm型比較定理について講演を行い,「富山解析セミナー2008」ではPirone等式とSturm型比較定理という題目で研究発表を行った.また,研究集会「振動定理ワークショップ-倉敷2010」においては,半分線形楕円型方程に対するPicone等式を利用して振動定理を導くという研究について講演を行った.いずれの講演も活発な質疑応答が交わされ,有意義で濃い内容の議論をすることが出来た.従って,得られた研究成果を社会に流布し,還元するという目的がかなことが出来たと思われる.特に,富山大学理学部で開催された研究集会「冨山解析セミナー2008」には,富山大学理学数学科の卒業生または,冨山大学大学院数字専攻の修了生で現在数学者の方が多く参加しており,そういう若手の数学者と学術を流でき,御互いに刺激しあえたのは大きな収穫であった.まに,修士課程の学生がこの研究集会に参加し,研究発表を行ったが,若手の数字研究の振興という観点からみれば,大変有益なことであったと確信している.
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