研究概要 |
偏微分方程式の解の零点に関する振動理論の統一的体系の確立を目指し,p(x)-Laplacian を持つ準線形楕円型方程式,優線形項と劣線形項を持つ,いわゆる混合非線形項を持つような関数変数双曲型方程式,及び減衰項と外力項を持つ Timoshenko 梁の方程式に対して重要な結果が得られた.まず,p(x)-Laplacian を持つ準線形楕円型方程式に就いては,半分線形方程式と準線形方程式に対しては,Picone 等式を確立し,それを用いて Sturm 型比較定理が得られた(Electoron. J. Differ. Equ., Vol. 2012 に掲載).また,p(x)-Laplacian を持つ準線形楕円型方程式の一般領域(外部領域,柱状領域等を含む)における振動定理を確立することが出来た(Electoron. J. Differ. Equ., Vol. 2013 に掲載).混合非線形項を持つような関数変数双曲型方程式に就いては,2階常微分不等式に帰着させ,更に,Riccti の方法を用いて,すべての解が振動するための十分条件を導くことが出来た.2012 年 6~7 月にギリシャのアテネ大学で開催された国際研究集会「6th World Congress of Nonlinear Analysts」において,ポスター発表を行った.2012 年 7 月に,京都大学数理解析研究所で開催された RIMS 共同研究「異常拡散の数理」において口頭発表を行った.また,2012 年 12 月に,香港で開催された国際研究集会「The IEEE International Conference on Industrial Engineering and Engineering Management」において,ポスター発表を行った.研究目的を遂行するための研究実施計画は,十分に達成した.
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