現在までに理論が整備されてきた関数空間の多くは、Lebesgue 空間やLipschitz空間のように、関数 f(x) の定義される位置xに関して一様に、可積分性や連続性が保証された空間である。これに対し、近年、「変動指数をもつLebesgue空間」が電気流動学との関連で注目されている。本研究では、この「変動指数をもつLebesgue空間」だけでなく、「変動指数をもつLipschitz空間」や「変動指数をもつHardy空間」およびこれらを一般化した関数空間の様々な性質を調べ、「変動する指標をもつ関数空間」の理論を構築する。 具体的には、「変動指数をもつLipschitz空間」や「変動指数をもつHardy空間」の適切な定義を定め、これらの関数空間が有益な性質を持つための、変動指数が持つべき条件を決定する。また、重み付き空間との関連を明らかにする。さらに、上記の関数空間と一般化Morrey-Campanato空間およびその前双対空間等を統一的に扱う手法を開発し、これら関数空間の相互関係を決定する。
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