研究課題/領域番号 |
20540210
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
内藤 雄基 愛媛大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (10231458)
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研究分担者 |
石井 克幸 神戸大学, 大学院・海事科学研究科, 准教授 (40232227)
桑村 雅隆 神戸大学, 大学院・人間発達環境学研究科, 准教授 (30270333)
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キーワード | 自己相似解 / 非線形放物型偏微分方程式 / 走化性方程式系 / p-Laplace方程式 / 爆発現象 |
研究概要 |
非線形放物型偏微分方程式における解の有限時刻での爆発現象あるいは集中現象などの特異性特の発現の背後に、自己相似性というスケール不変性がしばしば見られる。本研究では、非線形放物型偏微分方程式に対して、自己相似性という観点から解の特異性についその考察を行った。とくに本年度は、準線形定常問題の2点境界値問題の解構造および走化性方程式系に対する爆発現象に関連する後ろ向き自己相似解の特徴付けを中心に研究を行った。 1次元p-ラプラス微分作用素をもつ2点境界値問題に対して、非線形項の増大度が原点の近傍と無限遠方において同じオーダーの挙動をもつ場合の解構造について考察を行った。非線形項の増大度が原点の近傍と無限遠方で異なる場合には、線形化固有値との関係によって解の存在・非存在が決定されることが知られているが、増大度が等しい場合には、符号変化する解について、少なくとも2つの解が存在するか、あるいは解が存在しない、という異なる解構造をもつことが明らかになった。 粘菌の集中現象を記述するために導出されたKeller-Segel系については、空間3次元以上においては自己相似的な集中現象およびBurgers的な移流を伴う集中現象が見られることが知られている。ここでは、空間次元3次元以上9次元以上において後ろ向き自己相似解の解構造について考察を行い、それらの詳細な漸近的性質を明らかにすることができた。とくに加算無限個の自己相似解が存在し、それらは特異定常解との交点数により特徴付けることができること、原点を除いた適当な部分で特異定常解に漸近することが明らかとなった。今後、爆発速度および爆発形状との関連が興味深いものと思われる。とくに熱方程式における零点数比較定理を援用することにより自己相似的な爆発解についての考察が進展するものと期待できる。
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