研究概要 |
自由確率論を背景とした作用素環の研究を行った.具体的には次のような成果を得た:(1)フォンノイマン環の自由積が因子環になるための必要かつ十分条件を与えた.より強く中心分解を完全に記述しI型部分の詳細な記述を与え,非I型部分は必ず現れそれはいつでもII1 or III型因子環でありその型の決定の具体的なアルゴリズムを与えた.さらに非I型部分がいつでも完全因子環であることも証明した.(2)フォンノイマン環の自由積の非I型部分として現れるIII1型因子環のSd不変量とτ不変量を決定した.(3)非可換有界ハーディー空間の前共役を研究し,前共役内の弱コンパクト集合に対して成立する極めて特徴的な性質を証明した.(4)フォンノイマン環の融合積に対して因子性と型の決定および完全性に関する研究を行い,いくつかの部分結果を得た.
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