研究概要 |
繰りこみ群の数理科学における応用を多様な視点から分析した。ペレルマンのリッチフロウを統計力学の臨界現象の視点から再検証し,相転移におけるPirogov-Sinai定理との関連が強いことを論証した。またナヴィエ・ストークス方程式の乱流解を繰りこみ群から計算するYa Sinaiの論文を追計算し,より詳細な計算が必要で,それにより新しい展開が可能なことを示した。格子ゲージ理論におけるクオーク粒子幽閉について, 伊東は前に階層近似で立証したが, この近似では実際の系との相違を評価出来ないことも示した。しかしこれが証明されたという間違った論文が流布し, この論文の間違いの理由を,Max Planck研究所のE.Seiler教授との論文で明示した。伊東のσモデルの繰りこみ群による研究は第一段の変換についてはほぼ完成した。
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