研究概要 |
1.井上,Bagarello, Trapaniはreduced O*-代数とその条件付確率について研究した.フォン・ノイマン代数の非有界一般化であるGW*一代数のreductionはGW*-代数とは限らない.どのような条件のもとでGW*-代数となるかを考え,GW*-代数のdomain Dが自己共役作用素Tで定義されるときGW*-代数のreductionはGW*-代数となることを証明した.また,この結果をO*-代数の条件付期待値の存在性の解析へ応用した.この研究を,高倉をメンバーに加え部分O*-代数へ拡張した. 2.Quasi*-代数の表現と微分の研究をすすめた. 3.井上,Bagarello, Trapani, FragoulopoulouはC*-normed代数のquasi*-代数への一般化である局所quasi C*-normed代数の研究をすすめた.特に,可換な局所quasi C*-normed代数の構造,局所凸quasi O*-normed代数の表現,functional calculusについて研究した. 4.井上,S.J.Bhatt,荻はBlackadarとCuntzによるC*-代数の非可換微分構造の研究をすすめた.特に,微分ノルムによって定義された微分Frechet代数のスムーズ性について調べ,非可換スムーズ代数のクラスを構成し研究した.さらに,井上,Bhattは上の研究をもとに非可換微分幾何の研究をすすめた. 5.井上,Fragoulopoulou, Kurstenはvon Neumann代数のクロス積について「A. Van Daele, Continuous crossed products and type III von Neumann algebras, London Math.Soc.Lecture Notes Series 31, 1976」を中心に関連する論文を読み,O*-代数のクロス積,GW*-代数のクロス積の概念を定義し,GW*-代数の構造,分類について研究した. 6.井上,太田,黒瀬は非有界作用素環の立場で量子群の研究をすすめた.
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