乱雑さを持つ複雑ネットワーク上の共存ダイナミクスへの繰込み群的アプローチ

2010 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 20540382
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 数理物理・物性基礎
• 研究機関: 高知工業高等専門学校
• 研究代表者: 谷澤 俊弘 高知工業高等専門学校, 電気情報工学科, 准教授 (60311106)
• 研究分担者: 増田 直紀 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 准教授 (40415295)
• 研究期間 (年度): 2008 – 2010
• キーワード: 複雑ネットワーク / 共存ダイナミクス / 構造最適化 / 強相関複雑系 / 囚人のジレンマ / ゲーム理論 / 動的ゆらぎ

研究概要

次数による選択的ノード除去に対する強相関複雑ネットワーク上のパーコレーション転移を記述する解析的表式を導出し,その表式を用いてスケール・フリー・ネットワークの選択的ノード除去に対する脆弱性を著しく改善するネットワーク構造を見つけることができた。この構造はほぼ同じ次数を持つノード同士が結合し,さらにそれらの同次数ネットワークがゆるやかに相互結合するという独特な階層構造を持っている。その他にも,囚人のジレンマゲームにおいて協力者同士が形成するクラスターがパーコレーション転移を起こすことなどを含む有益な結果を数多く得ることができた。

研究成果

• [雑誌論文] Robustness of onionlike correlated networks against targeted attacks (2012)
  • 著者名/発表者名: Toshihiro Tanizawa, Shlomo Havlin, and H. Eugene Stanley
  • 雑誌名: Physical Review E, Reviewed 巻: Vol.85 ページ: 046109
• [雑誌論文] 次数相関を持つ複雑ネットワーク上における浸透問題 (2011)
  • 著者名/発表者名: 谷澤俊弘
  • 雑誌名: 日本ソフトウェア科学会論文誌「コンピュータソフトウェア」 巻: 第28巻 ページ: 1-135, 1-144
  • 査読あり
• [雑誌論文] Diversity and critical behavior in prisoner's dilemma game (2011)
  • 著者名/発表者名: C. K. Yun, N. Masuda, and B. Kahng
  • 雑誌名: Physical Physical Review E, Reviewed 巻: Vol.83 ページ: 057102
• [雑誌論文] Numerical study of a three-state host-parasite system on the square lattice (2011)
  • 著者名/発表者名: T. Hasegawa, N. Konno, and N. Masuda
  • 雑誌名: Physical Review E, Reviewed 巻: Vul. 83 ページ: 046102
• [雑誌論文] Upstream reciprocity in heterogeneous networks (2010)
  • 著者名/発表者名: A. Iwagami and N. Masuda
  • 雑誌名: Journal of Theoretical Biology, Reviewed 巻: Vol.265 ページ: 297-305
• [雑誌論文] Effects of diffusion rates on epidemic spreads in metapopulation networks (2010)
  • 著者名/発表者名: N. Masuda
  • 雑誌名: New Journal of Physics, Reviewed 巻: Vol.12 ページ: 093009
• [雑誌論文] Collective fluctuations in networks of noisy components (2010)
  • 著者名/発表者名: N. Masuda, Y. Kawamura, and H. Kori
  • 雑誌名: New Journal of Physics, Reviewed 巻: Vol.12 ページ: 093007
• [雑誌論文] ジェラルド・ポール,シュロモ・ハブリン,ユージン・スタンリー:「複雑ネットワークの構造的頑強性について」 (2010)
  • 著者名/発表者名: 谷澤俊弘
  • 雑誌名: 日本情報処理学会論文誌「数理モデル化と応用」 巻: Vol.3 ページ: 175-188
  • 査読あり
• [学会発表] 生成関数法を用いた強相関複雑ネットワーク上のパーコレーション転移の解析的取扱について (2012)
  • 著者名/発表者名: 谷澤俊弘
  • 学会等名: 日本物理学会
  • 発表場所: 関西学院大学(兵庫県西宮市)
  • 年月日: 2012-03-26
• [学会発表] 次数相関を考慮した選択的ノード除去に対するスケール・フリー・ネットワークの頑強性増大について (2011)
  • 著者名/発表者名: 谷澤俊弘, Shlomo Havlin, H. Eugene Stanley
  • 学会等名: 日本物理学会
  • 発表場所: 富山大学(富山県富山市)
  • 年月日: 2011-09-23
• [学会発表] Analytical study of the robustness of correlated scale-free networks against targeted high degree node removal (2011)
  • 著者名/発表者名: Toshihiro Tanizawa, Shlomo Havlin, and H. Eugene Stanley
  • 学会等名: 第7回ネットワーク生態学研究会シンポジウム(主催:日本情報処理学会)
  • 発表場所: 東京工科大学(東京都大田区)
  • 年月日: 2011-06-17
• [学会発表] Evolution of cooperation is a robust outcome in the prisoner's dilemma on dynamic networks (2011)
  • 著者名/発表者名: Y. Yoshino, N. Masuda
  • 学会等名: 第7回ネットワーク生態学研究会シンポジウム(主催:日本情報処理学会)
  • 発表場所: ホテルルーセントタカミヤ(山形県山形市)
  • 年月日: 2011-03-10
• [学会発表] 次数相関を持つネットワークの頑健性(招待講演) (2011)
  • 著者名/発表者名: 谷澤俊弘
  • 学会等名: 北陸先端科学技術大学院大学第8回知識創造支援システムシンポジウム
  • 発表場所: 北陸先端科学技術大学院大学(石川県能美市)
  • 年月日: 2011-02-26
• [学会発表] Analytical study of the robustness of scale-free networks with degree-degree correlation against targeted node removal (2010)
  • 著者名/発表者名: T. Tanizawa, S. Havlin, and H. Eugene Stanley
  • 学会等名: NetSci2010(The International School and Conference on Network Science)
  • 発表場所: MIT, Boston, MA, USA
  • 年月日: 20100511-14
• [学会発表] Analytical study of the robustness of scale-free networks with degree-degree correlation against targeted node removal (2010)
  • 著者名/発表者名: 谷澤俊弘, S. Havlin, H. Eugene Stanley
  • 学会等名: 日本物理学会
  • 発表場所: 大阪府立大学(大阪府大阪市)
  • 年月日: 2010-09-25
• [学会発表] Disorder-induced stabilization of cyclically competing species on regular graphs (2009)
  • 著者名/発表者名: T. Tanizawa and N. Masuda
  • 学会等名: 日本物理学会
  • 発表場所: 熊本大学(熊本県熊本市)
  • 年月日: 2009-09-25
• [学会発表] Analytic Properties of Multimodal Complex Networks (2009)
  • 著者名/発表者名: T. Tanizawa, S. Havlin, and H. E. Stanley
  • 学会等名: 日本物理学会
  • 発表場所: 岩手大学(岩手県盛岡市)
  • 年月日: 2009-09-21
• [学会発表] 次数相関を持つ複雑ネットワーク上のパーコレーション (2009)
  • 著者名/発表者名: 谷澤俊弘
  • 学会等名: ネットワークが創発する知能研究会第5回国内ワークショップ(主催:日本ソフトウェア科学会)
  • 発表場所: 筑波大学(東京都文京区)
  • 年月日: 2009-08-13
• [学会発表] 多極次数分布ネットワークの構造的性質について(招待講演) (2009)
  • 著者名/発表者名: 谷澤俊弘
  • 学会等名: 非線形問題・ネットワークダイナミクス合同研究会(主催:電子情報通信学会)
  • 発表場所: ヨンデンプラザ(高知県四万十市)
  • 年月日: 2009-08-04
• [学会発表] Structural Properties of Multimodal Networks (2008)
  • 著者名/発表者名: T. Tanizawa, S. Havlin, and H. E. Stanley
  • 学会等名: ネットワークが創発する知能研究会および数理モデル化と問題解決研究会第14回MPSシンポジウム合同ワークショップ(主催:日本ソフトウェア科学会・日本情報処理学会)
  • 発表場所: 東京工業大学(東京都目黒区)
  • 年月日: 2008-08-29